イラストレーターや画家になりたい人に絞った研究室
デザイン学科の現況について教えてください
遠藤:現在のデザイン学科には、1つの学年でおよそ180名の学生が所属しており、他学科の2倍あるいはそれ以上の数になります。専門性が細分化する中、「グラフィックデザイン」「イラストレーション」「映像情報デザイン」「空間プロダクトデザイン」という4つの領域で構成されており、はじめからそうした区分けがある前提で学生がより的確な選択をできるようになっています。
1年次は領域横断的に広く学び、その中で学生は自分が進みたい方向性を模索します。2年次は目的とする領域を中心に、他領域も含めて授業を選択し、目標をより明確にします。そして3年次以降、各領域に分かれて研究室に所属し、専門性を深めていくという流れになっています。たとえばグラフィックデザインに興味を持って入学した学生が他領域のデザインに触れて、目標を変更するといったことはよくあります。
イラストレーション&絵画研究室の特徴について教えてください。
遠藤:ここは、学長を歴任された若尾真一郎先生から谷口広樹先生が引き継いだ研究室で、谷口先生が亡くなられたタイミングで私と上田先生とで引き継がせていただきました。研究室の名前の通り、イラストレーターや画家を目指す学生を受け入れています。もっとも特徴的なのは、卒後すぐに作家活動に入ることを前提にカリキュラムが組まれているという点です。3年次、研究室の進路を決める際にも、学生には「そうした前提で来てください」と話しています。
上田:卒業生の仲が良く、横だけでなく縦のつながりがあるのも特徴だと思います。かつての若尾先生も谷口先生も、卒業生との付き合いを長く続けてくださる方々で、先生方が個展を開催すれば、卒業生が集まったり、年に何回か先生を囲んで食事会をしたりしていました。現在においても卒業生の仲が良いのは、若尾先生や谷口先生の教えを受け継ぐことができていることの表れかも知れません。
