幅広い写真システムを通して新たな表現を探求する研究室
大和田先生の主な研究テーマについてお聞かせください
大和田:アナログからデジタルまで、アプローチを限定することなく、古典技法から現代の最新の写真術までを幅広く網羅した上で、どのような新しい表現が可能になるか模索しています。
ここ数年は、オルタナティブ・プロセスの持続可能性についての研究に力をいれていますが、デジタル時代において従来の銀塩システムや古典技法と呼ばれるさまざまなオルタナティブ・プロセスを組み合わせた上で、どのような方法が有効な表現方法として確立できるか。また、銀塩を使わないプロセスや古典技法などにおいて、毒性のある薬品を代替薬品に置き換えながら環境負荷の少ない写真技法を研究することで、写真表現の持続可能性といった視点にもつながっていくと考えています。
たとえばどのような代替薬品を用いますか?
大和田:1850年代に確立した写真技法で「コロジオン湿板」があります。従来のプロセスでは、臭化カドミウムなど毒性の高い薬品を用いますが、臭化カリウムなど毒性がなるべく低いものに置き換えて実践しており、研究室で学生と共に各種検証をしています。
具体的には、そうした代替薬品を用いた時に、どんな色調再現の違いが現れるか、果たしてそれが本当に写真技法として満足のいく濃度になるのかということを、細かくテストしながら特性を調べ、結果を定量的に見せていくということを行っています。