個展であえて「グッズができるまで」を披露
イラスト、写真、音楽、文章……クリエイティブの世界にはたくさんの優れた表現者がいる。
職人的、超人的に極められたスキルと発想を世に送り出すことで、時として大きな賞賛、喝采を浴びることになる。 だが、忘れてはいけない重要なポイントもある。
そのクリエイティブが必要な人に適切に届けられるかどうか、である。
イラストレーターの陳由莉さん(28)が手がけるのは、かわいい猫のキャラクター。 主人公と仲間たちの「ほのぼのとした日常」を描いたもので、2016年にLINEスタンプから生まれた。
実質的なデビュー作品だが、陳さんはこのシリーズ一本で活動を続け、これまで少なくとも150種類以上のグッズを世に送り出している。
2024年6〜7月には都内の書店で「グッズのつくりかた」をテーマにした展示を開催し、アイデアのメモや設計図までを惜しみなく披露。
「アイデア募集」と題したノートも用意され、来場者が自由に書き込めるようにした。
陳:今回の展示では、グッズのアイデアをみなさんから募集して実際につくってプレゼントしよう、という企画を、展示が始まる3日ほど前に思いついたんです。 ノリでやっているところもあるのですが、グッズを買ってもらった人にはそのキャラクターとずっと一緒にいてほしいし、小さい子が大きくなってもキャラクターのことを覚えていてくれると良いなと思っています。 わたし自身、グッズの製造過程を知るのが好きでこの展示を企画しましたが、今わたしが講義を担当している学生たちにも見てほしいなという気持ちもありますね。